鯨飲馬食の宵の後は正真正銘の「白浜温泉」に浸かったせいか寝覚めはとても爽やかで
あった。おっさんばっかり4人(I先輩ではなくI君加わり)で一夜を共にした最上階角部屋の
朝は見事に水平線の海と空が同化していた。「まっ白浜。」の宣伝文句そのままの白良浜
は眩しく、ぽっかり浮かんだ円月島、「何であんなになったんや?」と素朴な疑問が湧いた。
予定はあってなきが如しの贅沢三昧ほぼ24時間の旅は、20Km歩行に備えて朝酒抜きの
朝寝、朝湯を堪能した。企画担当重役のT君の先導・指示により、朝食は名勝・白良浜際の
"SUBWAY"、「六甲アイランドにあるけど、きょうがデビューやな」「何や”外国”やな」と言い
交わしつつ賑やかにエネルギー溜まる。昼食のおにぎりとお茶をコンビニで各自調達した。
今や世界遺産たる熊野古道のことはよう知らん、以前「海の熊野古道ってあるんかあ?」と
T君に尋ね、「よっしゃ!段取りしてみるわ」がきっかけで今回の徒歩行になった。全行程は
約20Km、有名な「中辺路」ではないので、人は極めて少なく(ふたり居ただけ)、あらゆる
音という音がなく、苔むした岩と石、緑の匂いがあるだけだった。緑の海のような紀伊山地
が枯木灘の背後に広がっていた、木霊を体験できた。「まさに、大木こだま・ひびきやなあ」
と、惚けた感想を述べるヤツもいたが、とても神々しかった。「ほな、また続きは今度やな」
「ヴェー?ここ終点とちゃうん?」「まだまだや」「そや、那智の滝までや」ちゅうことでしたわ。