親友のお見送りでトラベリンバスに乗り込んだ。カーテンで閉ざされた3列シートの空間は
闇のようでもありカプセルルームのようでもあり高級ラウンジのようでもある。横浜を過ぎた
時、妙に広島を感じたのは何故だ。異空間の移動。眠ったような眠れないような朝は来る。
午前7時前バスは9時間前の空気と乗客のままJR和歌山駅に着いた。駅前には溌剌とした
高校生の群れ、客待ちのタクシー、いつもの見慣れた休日の朝がカーテンの向こうにあった。
朝帰りは音を潜めるものだ。「おかえり」と小用から出てきた息子に声をかけられびくついた。
シャワーを浴びていつもの日曜日の朝のように朝刊を読みテレビを見た。「きょうは暑過ぎ
るから行けへんでえ」と、午後2時からの「夕日を見る会」はあっけなく不参加が決定した。
「お墓参りはもう昨日行っといたでえ」らしいので、リクエストによりスーパー銭湯へ行った。
露天風呂のテレビで見る自民党総裁選の結果は、これもやっぱりあっけない感じがした。
夕飯は家族揃ってパスタ「マーシー」スパゲティ界の「かわせ」を感じてしまうここだけの味。
食後は「ドンキホーテ」に寄った。家族4人の需要を満たす品揃えの豊富さは嬉しいのだが、
店内で迷子になってしまう、結局何も買わなかった。何も足さない何も引かない幸せかな。